通い妻ヒロインと清水家

「んー」
「どったの？」
「あら、雷鳴ちゃん」
「唸ってたけど…」
「ん？ああ、えっとね今日のお夕飯どうしようかしらって」
「へぇー」
「雷光さんに聞いたんだけどあの人好き嫌い多いじゃない」
「兄が迷惑かけます…」
「うふふ、いいのよ」
「んーじゃあ私が食べたいの言ってもいい？」
「うんいいわよ」
「この際雷光の好き嫌いとかどうでもいいや」
「いいの？」
「是が非でも食わせてやる」
「あら」
「てことでオムライス!」
「オムライスね、わかったわ」
「えへへー楽しみにしてるよー」


通い妻ヒロイン

基本的に我が家はヒロイン≧雷光さん

「ちょっといいかい」
「はい？」
「いや、何でもないよ」
「やあね、言いたいことあったら言ってください」
「何でもないったら」
「うふふ」
「なんだい」
「今からマフィン焼きますけど」
「…」
「(にこにこ)」
「…蜂蜜つけてくれるかい」
「はいはい」



おなかすいたとか恥ずかしくて言えない雷光さんのはなし

猫属性にゃんこうさん

にゃあ
「あら」
「おや、のら猫かな」
「ちっちゃいわね」
「まだ仔猫だね」
「…かわいい、こっち来るかしら」
「呼んでみようか」
「ええ」
「よし、…こっちおいでにゃー」
「…!？」
「…どうしたんだい固まって」
「(にゃーって言ったわ…にゃーって)」
「…？しかし寄ってこないね」
「私が呼んでみるわ」
「ああ」
「にゃんこちゃん、おいでー(ちっちっち)」
「…」
「どうかしたの？」
「にゃー」
「え、えぇぇ？」



ベタべた

電車居眠りには雪見さん

うお、なんだこいつ
ぐう
寄りかかり方が尋常じゃねぇ…
すぴすぴ
おいおいおい、おっさんの肩借りたっていいことねぇぞ
くー…
…
むにゃむにゃ
気持ちよさそうだからこれはこれでいいのか？

…
…
いっか。




雪見さんは黙って枕になってくれそうですね
今私の横にいる親父とは違って。

カサカサ手肌にニ○アクリームと雷光さん

「い、」
「おや」
「かさかさだわ」
「これはひどいね」
「クリームあったかしら」
「ほら、ここにあるよ」
「ありがとう、っ」
「染みるぐらい酷いのか」
「大丈夫よ」
「どれ、貸してごらん」

きゅ う

「ん、」
「温かいだろう」
「(こくん)」
「こうしていてあげるから、少し休むといい」
「ありがとう」


いつも家事ありがとうと雷光さんは言いたいそうだ。

私の水仕事で荒れに荒れた手を、
彼は優しく包みながら
ふんわり嬉しそうに笑った。